カナディアン・ロッキーは、北米大陸を縦断する山脈群の中でも、最も美しい景観をもっています。一年をとおして白雪を抱く連峰と大氷河、清澄なたたずまいの氷河湖、そして常緑樹に覆われた深い緑の森と凄烈な流れの大小の川。山と湖と森と川が織りなす神秘の大自然が厳然と存在しているのです。 そしてそこには野生動物が数多く生息し、人間と自然とが上手に共生をしています。地球上に残されたダイナミックな景観を最も身近に堪能できる、それがカナディアン・ロッキーなのです。この地域は世界自然遺産に登録されていますが、中でもバンフ国立公園は、カナダで最初に国立公園に制定されたカナダ人の誇りともいうべき地域です。
年間を通して多くの旅行者が訪れるカナディアン・ロッキー、その拠点となるのはバンフの町です。バンフへは通常カルガリーからアクセスする人も多いようですが、エドモントンからジャスパーへアクセスしてから南下する人も増えています。また、カナディアン・ロッキー沿いを走るアイスフィールド・パークウエイにはたくさんの見どころがあります。この道をドライブで観光するのもお勧めです。
バンフ、ジャスパーの2つの国立公園では四季をとおして様々なアウトドア・アクティビティーを楽しむことができます。また自然のアトラクションも多種多彩で、すべてを紹介できないほどです。
カナディアン・ロッキーは山岳リゾートです。バスツアーや個人でドライブしながら観光するのも魅力的ですが、古城風のホテルやアルペンロッジ、近代的なモーテルやリゾートホテルなどさまざまなタイプの宿泊施設を利用した滞在型の観光もお勧め。時間をかければかけるほど、本当のカナディアン・ロッキーの素晴らしさを体感できるはずです。
夏にはサイクリング、乗馬、ハイキングなど、冬にはスキーをはじめ犬ぞりやスケートなど、大自然の空気を思う存分吸って体を動かす、カナディアン・ロッキーならではの醍醐味を味わってください。
山間に開けたバンフの町には、歴史のある高級リゾートホテルもあり、レストランやブティックがメインストリートに軒を並べ、都市部と変わらないにぎわいを見せています。またバンフから車で40分ほどのところにあるレイク・ルイーズはロッキーの宝石と讃えられるルイーズ湖がある町。ここへ来たら一度は滞在したいのがシャトー・レイク・ルーズです。湖側のホテルの部屋から見える朝焼けの鏡のような湖は、例えようもないほど。湖畔を散策するとビーバーを見かけることもあります。
レイク・ルイーズの近くにはカナダの20ドル紙幣の絵にもなったモレーン湖があります。美しい緑色の水と、テンピークスの頂の白雪とが絶妙な調和を奏でています。また、アイスフィールド・パークウエイは地球上で最も美しいドライブコースと言われています。白濁したトルコブルーのペイト湖や、雪上車に乗って氷河の上の降り立つことの出来るコロンビア大氷原、そしてドライブの途中の車窓から見える景色は美しい自然の大パノラマの連続です。ドライバーは見とれないように運転に注意しましょう。途中運がよければエルクやマウンテンゴートなどの野生動物に出合えるかもしれません。前方に車が何台か止まっていたら要注意。動物が道路を横切ろうとしているかもしれませんよ。
“氷河”はどうして作られる?
氷河とは山頂に積もった雪が少しずつ解け出して、長い時を経て形成される氷の川です。万年雪に覆われたロッキーの山々には、氷河がたくさんあり、中でもコロンビア・アイスフィールドは、氷河というより大氷原と表現したほうがいいでしょう。広さは約320平方キロ、最深部は300メートルに達します。ここでは雪上車に乗って氷河見物ができます。
バンフには国定史跡が2つあります。1つはカナダ西部でもっとも古い自然史博物館で、1903年に設立されたバンフ公園博物館。20世紀初頭の「鉄道・パゴダ様式」で建てられた歴史的な博物館で、外観、内装ともに当時の姿を残しています。
もう1つはケイヴ・アンド・ベイスンという1887年に作られた浴場跡地です。バンフに温泉が発見された当初利用されていたところで、天然の洞くつ風呂やカナダの国立公園の発祥地となった展示もありますが、実際に温泉に入れるのは、サルファー山のゴンドラ乗り場近くにあるアッパー・ホット・スプリングスです。20世紀の初めから観光地として開発されてきた温泉プールで旅行者も多く、見晴らしが最高の温泉です。
やはりバンフのシンボルといえば、バンフ・スプリングス・ホテルでしょう。お城のような外観と華麗な建物を、一度は写真で見たことがあるのではないでしょうか。ホテル周辺を散策するもよし、ボー川の川辺を歩くのもよし、付帯しているゴルフ場ではまさにダイナミックなゴルフを、その雄大な景観とともに楽しめます。 バンフ周辺の自然の景観もすばらしく、サルファー山やノーケイ山にゴンドラやリフトで登ってロッキーのパノラマを楽しんだり、ミネワンカ湖やバーミリオン湖の周遊ドライブもお勧めです。
ロッキーで“温泉ざんまい”
カナディアン・ロッキーには2つの有名な温泉があります。バンフ国立公園にあるアッパー・ホットスプリングスは、バンフの街から4キロメートルという距離で、サルファー山のゴンドラ乗り場近くにあります。見晴らしのよい屋外と室内にプールがあり、レストラン、ブティックが併設されています。源泉の温度は 47度ですが、適温になっています。
一方、ジャスパー国立公園にはミエッテ・ホットスプリングスというロッキーのなかでも最も高温の54度という温泉があります。入浴用プールは39度と適温で、たいへん野趣に富み、リラックスするにはもってこいの温泉です。
ジャスパーの町は鉄道駅として始まり、現在もバンクーバーやプリンス・ルパートと東部カナダを結ぶVIA鉄道の中継駅になっています。ジャスパー周辺は自然のままの氷河湖や大森林が広がる魅力的な見どころがたくさんあります。
ここではジャスパーの町を一望できるカナダ最長のロープウエイに乗るのもおすすめです。
また、マリーン峡谷は深さが54メートルもあるロッキーでも見ごたえのある峡谷です。マリーン湖に行く途中に位置するメディスン湖は水位が激しく変化する湖として名高く、湖底の下には大規模な地下水脈があると考えられている謎の湖です。その先にあるマリーン湖も氷河の解けた水をたたえる美しい湖です。朝晩、季節によって七色に変化するといわれ、まさに神秘の湖といえるでしょう。ここではクルーズ船も出ていて、湖畔からだけではなく遊覧船からもその景観を満喫できます。
ジャスパーから東へ70キロのヒントンとそのエリアは、カナディアン・ロッキーへのゲートウエイとして知られ、フィッシングやハンティングなどの夏のアクティビティーともにウインタースポーツも盛んな地域です。ここではユニークな炭鉱ツアーも催行されています。
ヒントンから40号線を150キロ北西に向かったグランド・キャッシュは、ごつごつした山の頂きが見え、湖と川と谷間に覆われた美しい町です。ここの見所はジャスパー国立公園の北の端にあるウィルモア・ウィルダネス・パークです。大型のビッグホーン・シープやブラックベアが生息し、美しい高山植物が見られます。ただこの公園は徒歩か馬でしかアクセスできないので、乗馬ツアーかハイキング、バックカントリーのキャンプで訪れることになります。なおハイカーは地元の森林事務所で登録が必要です。